二度寝を防止するには? 5分おきのスヌーズをやめて、一度で起きる方法
5分おきに鳴らすスヌーズが、目覚めを悪くしているのかもしれません。広島大学の研究や厚生労働省の睡眠ガイドをもとに、二度寝を防止するための準備とiPhoneの設定、受診の目安をまとめました。
二度寝を防止するいちばんの近道は、朝の気合いではなく、前の晩の睡眠時間とアラームのかけ方を見直すことです。とくに、起きる時刻の前から5分おきにアラームを何度も鳴らすやり方は、目覚めたあとのぼんやりした状態をかえって長引かせるおそれがあります。広島大学の研究チームが日本の大学生を対象に行った小規模な実験で、そうした結果が出ています(Ogawaら、2022)。
スヌーズに頼ってしまうのは、だらしないからとは限りません。同じ研究の調査では、目覚ましを使うことがある大学生289人のうち70.5%が、携帯電話のスヌーズ機能をよく使っていました。使う理由(自由回答)で最も多かったのは、「1回のアラームでは時間どおりに起きられないかもしれない」という心配です(50.7%)。スヌーズをやめたいなら、意志の力で我慢するより、「1回で起きられる」と思える準備を前の晩に整えておくほうが現実的です。
この記事のポイント
- 二度寝の原因としてまず疑いたいのは睡眠不足です。厚生労働省のガイドは成人に対して、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保するよう勧めています。
- 小規模な実験ですが、5分おきに何度も鳴るスヌーズは目覚めの悪さを長引かせる可能性が示されています。アラームは本当に起きる時刻の1本にまとめ、鳴ったらすぐに立ち上がりましょう。
- 十分に寝ても起きられない、日中の眠気が強い、大きないびきを指摘された。そんなときは睡眠障害の可能性もあるので、医療機関に相談してください。
二度寝してしまう3つの原因
1. 睡眠時間がそもそも足りない
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、2019年(令和元年)の国民健康・栄養調査では、20〜59歳の各世代で約35〜50%の人が睡眠6時間未満でした。2021年のOECDの調査でも、日本人の平均睡眠時間は調査対象の33カ国の中で最も短かったとされています(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。
ガイドは成人に対して、「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」ことを勧めています。必要な睡眠時間には個人差があり、6時間未満で足りる人もいれば、8時間以上必要な人もいます。眠りが足りないまま迎えた朝に、アラーム1本ですっきり起きるのは難しくて当然です。
2. 起きた直後の頭は、まだ半分眠っている
目覚めた直後のぼんやりした状態を「睡眠慣性」といいます。目が覚めてもしばらくは覚醒の度合いが低く、考える力や反応の速さも落ちています(Ogawaら、2022)。アラームを止めて「あと5分だけ」と決めるのは、まさに頭がまだ働いていない時間です。二度寝は意志が弱いせいというより、判断を下す時間帯が悪いと考えたほうが、対策を立てやすくなります。
3. 体内時計が少しずつ後ろにずれる
人の体内時計の周期は、日本人を含めて平均24時間10分前後で、24時間より少し長いことがわかっています(e-ヘルスネット「概日リズム睡眠・覚醒障害」)。そのため、朝の光で毎日時刻合わせをしないと、眠くなる時刻も起きられる時刻も少しずつ遅れていきます。休日の寝だめで起床時刻が大きく遅れると、海外旅行のときのような時差ボケ(社会的時差ボケ)が起こります(睡眠ガイド2023)。
スヌーズは体に悪い? 研究でわかっていること
結論からいうと、スヌーズが健康を損なうと言い切れるだけの証拠はありません。ただし、使い方によっては目覚めを悪くするおそれがあることを示した研究があります。
5分おきのスヌーズで目覚めが悪くなった実験(広島大学)
冒頭で紹介した広島大学の調査では、学生に多いスヌーズの設定は、起きる時刻までの最後の20分間に、5分おきに4〜5回鳴らすものでした。そこで研究チームは、ふだんから週に5〜7回スヌーズを使っている大学生10人に、5分おきのスヌーズを20分間鳴らす夜と、起床時刻に1回だけ鳴らす夜を、実験室で体験してもらいました。
スヌーズの夜は、最後の20分間に目が覚めている時間と浅い眠り(N1)が増えました。起床20〜30分後のテストでは、音への反応が遅くなりました。眠気や意欲などを尋ねる活力の自己評価も、1回だけ鳴らした朝は就寝前より上がったのに対し、スヌーズの朝は上がりませんでした。研究チームは、スヌーズは1回だけのアラームより睡眠慣性を長引かせると結論づけ、何度も無理に起こされることが原因かもしれないとしています(Ogawaら、2022)。ただし、参加者は10人と少数です。
30分のスヌーズでも大きな害は見られなかった実験(スウェーデン)
一方、ストックホルム大学などのチームは、ふだんからスヌーズを使う31人を対象に、30分間スヌーズする朝と、すぐに起きる朝を比べました。スヌーズで減った睡眠は約6分で、深い眠り(N3)から目覚めることも避けられていました。起床時のコルチゾール(ストレスに関わるホルモン)の反応、朝の眠気、気分にははっきりした差がなく、起きた直後の認知テストの成績は同じか、むしろよい場合がありました(Sundelinら、2023)。
どちらの実験も、ふだんからスヌーズを使う人が対象です。結果が分かれた理由ははっきりしませんが、スヌーズの長さ(20分と30分)と、測るタイミングが違います。スウェーデンの実験は起きた直後に測っていますが、広島大学の実験で反応の遅れが出たのは起床20〜30分後のテストでした。
日本の利用者は、スヌーズの回数も時間も少なめ
睡眠記録アプリをiPhoneで使う約2万1000人について、300万回以上の睡眠記録を分析した2025年の研究では、記録の55.6%がスヌーズで終わっていました。国による差は小さいものの、日本の利用者はスヌーズの回数が平均2.2回(オーストラリアと並んで最少)、スヌーズしていた時間が平均9.2分(最短)でした。また、いつもより早く寝た日はスヌーズが少なく、遅く寝た日は多い傾向も報告されています(Robbinsら、2025)。ただし、アプリ利用者の観察データなので日本人全体に当てはまるとは限らず、遅く寝たことがスヌーズの原因だとまでは言えません。
研究の結果は一致していませんが、気をつけたいのは、5分おきのアラームを何度も鳴らして、起きる前の20分ほどを細切れの浅い眠りにしてしまう使い方です。
二度寝は何分ならいい? 20〜30分前に一度起きる方法
スヌーズの実験を行った広島大学の林光緒教授らは、二度寝をあえて利用する研究も行いました。実験室では、起床予定時刻の20分前にアラームで一度目を覚まし、もう一度眠ってから起きると、起床後の睡眠慣性が軽くなりました。睡眠を1時間短くした条件では、20分前に鳴らしても差が出ず、30分前が有効でした。自宅での実験では、起床時刻が規則的な人は30分前、不規則な人は20分前に鳴らすのが有効という傾向も見られています(研究成果報告書・2023年度の報告)。
5分おきのスヌーズとの違いは、強制的に起こされるのが1回だけという点です。2022年度の実験では、起床前の20分間に現れた睡眠段階N2(N1より一段深い眠り)は、起床時刻に1回だけ鳴らした夜の7.8分に対し、二度寝した夜は0.3分だけでした。研究チームは、N1よりN2から目覚めたほうが睡眠慣性の影響を強く受けるという先行研究をもとに、一度目覚めることでN2が抑えられ、睡眠慣性も抑えられたと考えています(2022年度の報告)。
ただし、実験室の実験は参加者が8〜12人、自宅での実験は大学生28人(比べたグループは各6〜8人)と小規模で、自宅の実験の結果はまだ「傾向」の段階です。自宅の実験では睡眠時間が短かったのは不規則な人たちのほうで、「睡眠不足なら30分前」という実験室の結果とは食い違う点も報告されています。また、これらは科研費の報告書と学会発表で示された結果で、査読付きの論文によるものではありません(2022年度・2023年度・2024年度の報告)。
それでも試してみるなら、5分おきのアラームを何本も並べるのではなく、「起床20〜30分前の1本」と「本番の1本」の2本にまとめ、本番ではスヌーズを使わないようにします。最初の1本ですっきり目が覚めたら、そのまま起きてしまってかまいません。
今夜からできる二度寝防止の準備
- 起きる時刻から逆算して布団に入る。 6時間以上を目安に、必要な睡眠時間を確保できる就寝時刻を決めます。平日の不足分を休日の寝だめで「ためる」ことはできません。休日に長く寝ないと体がもたないなら、それは平日の睡眠が足りていないサインです(睡眠ガイド2023)。
- アラームは本当に起きる時刻に1本だけ。 「念のため」の早めのアラームを何本も並べると、広島大学の実験のように、起きる前の時間が細切れの浅い眠りになりがちです。1本で起きられるか不安なら、後述の方法で音量を確かめておきましょう。20〜30分前に一度起きる方法を試す場合も、アラームは2本までにとどめます。
- スマホは布団から手の届かない場所で充電する。 厚生労働省のガイドは、寝室にスマートフォンを持ち込まないことを勧めています(睡眠ガイド2023)。目覚ましに使うなら、せめて立ち上がらないと止められない場所に置きましょう。
- 夜は光とカフェインを控えめに。 夕方から深夜にかけて浴びる光は体内時計を遅らせ、夜が更けるほどその作用は強くなります。照明を暗めにして、画面の明るさも落としましょう。カフェインに敏感な人は、就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいとされています(e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」)。
明日の朝、アラームが鳴ったら
- 止めたら、考える前に立つ。 睡眠慣性で判断力が落ちている時間に「起きるかどうか」を考えないのがコツです。アラームを止める動作と立ち上がる動作を、ひと続きにしてしまいましょう。
- カーテンを開けて光を入れる。 朝に浴びた光には体内時計を早める(朝型にする)作用があり、朝起きづらい人は、起床後から午前中に多くの光を浴びるよう勧められています(e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」)。
- 立ったあとの最初の行動を、前の晩に決めておく。 顔を洗う、水を飲む、その日の予定を声に出して言う。することが決まっていれば、布団に戻るかどうかを迷う時間が減ります。
- 起床時刻は守り、眠い日は昼の短い仮眠で補う。 昼寝は午後の眠気を解消し、15分程度の長さで十分とされています(e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」)。
iPhoneのアラーム設定を見直す
スヌーズをオフにする
時計アプリを開いて「アラーム」をタップし、スヌーズをオフにしたいアラームの時刻をタップします。「スヌーズ」をオフにし、チェックマークのボタンをタップして保存します。スヌーズをオンのまま使う場合は、「スヌーズの継続時間」でスヌーズの長さも選べます(Apple iPhoneユーザガイド)。
音が小さい・鳴らないときに確認すること
- 時計アプリのアラームの音量は、iOS 26では設定アプリの「サウンドと触覚」にある「着信音と通知音」のスライダで調節します。iOS 27では初期設定で着信音と同じ音量になり、「サウンドと触覚」の「アラームとタイマー」で「着信音の音量に合わせる」をオフにすると、専用のスライダで調節できます(Apple iPhoneユーザガイド:iOS 26・iOS 27)。
- 「ボタンで変更」がオンだと、音楽などを再生していないときに本体の音量ボタンを押すだけで、アラームの音量も変わります。知らないうちに小さくなるのを防ぎたいなら、オフにしておきましょう(Apple iPhoneユーザガイド「iPhoneの音量を調整する」:iOS 26・iOS 27)。
- 消音モードやおやすみモードにしていても、時計アプリのアラームは鳴ります。振動しかしない場合は、アラームの「サウンド」が「なし」になっていないか確認してください(Apple サポート)。
こんなときは医療機関に相談を
生活を整えても次のような状態が続くなら、単なる二度寝のくせではなく、睡眠障害などが隠れているかもしれません。厚生労働省のガイドも、十分な時間眠れない、休養感が得られない、日中の眠気が強いといった症状が続き、日中の生活に影響している場合は、速やかに医師に相談するよう勧めています(睡眠ガイド2023)。
- 毎日十分に寝ているはずなのに、どうしても起きられない。必要な睡眠時間が体質的に長い人は、毎日6〜7時間以上眠っても睡眠不足症候群になることがあります(e-ヘルスネット「昼間の眠気」)。
- 日中の眠気が強く、居眠りで仕事や勉強に支障が出ている。
- 大きないびきをかく、眠っている間に息が止まったり、あえいだりしていると言われた(閉塞性睡眠時無呼吸の可能性)。
- 起きたあと長い時間ぼんやりして、頭や体がうまく働かない(特発性過眠症などの可能性。MSDマニュアル)。
- 極端な遅寝遅起きが続き、遅刻を繰り返してしまう(睡眠・覚醒相後退障害の可能性)。
- 気分の落ち込みが続いている、または眠れない夜が続いている(うつ病や不眠症の可能性)。
相談先は、睡眠障害を専門に診る医療機関が適しています。日本睡眠学会のホームページには、専門医と専門医療施設が掲載されています(e-ヘルスネット「概日リズム睡眠・覚醒障害」)。まずはかかりつけ医に相談するのもよいでしょう。
開発者より:しゃべる目覚まし「WakeBuddy」について
最後に、私が開発しているアプリについて書かせてください。WakeBuddyは、着信音のかわりにキャラクターの声で起こす、iPhoneのしゃべる目覚まし時計アプリです。計算問題やバーコードの読み取りで止めるアラームと違い、合言葉を声に出して言うまで止まりません。
スヌーズを押すと、あと5分眠れます。そのかわりキャラクターは、もっと大きな声で、もっと容赦なく戻ってきます。たとえば魔王ネコは、1回目のスヌーズのあとにこう言います。
人間。スヌーズとは、何だ。吾輩の空腹を、五分延ばす、呪いのボタンか。許さぬ。吾輩は、そのボタンの上に、座ってやる。
とはいえ、この記事で見てきたとおり、5分おきのスヌーズを何度も重ねるのはおすすめしません。WakeBuddyでも、理想はスヌーズを押さずに1回で起きることです。止めるときは、魔王ネコなら「お許しを、魔王さま」と声に出して言います。アラームを止める瞬間を、寝ぼけた指先の操作ではなく、声を出すひと手間に変えるのがねらいです。
そのため、システムの停止ボタンを押しても、合言葉の画面が開くだけです。本体側面のボタンで音を止めた場合は、約90秒後に予備のアラームが鳴ります。予備はアラーム1件につき3回までで、そのあとは止まります。
アプリが音声を聞くのは、アラームが鳴っている間だけです。音声認識はiPhoneの中で行われ、音声が録音・保存・送信されることはありません。隣で家族が寝ているときは合言葉を入力しても止められ、どうしても必要なときのための緊急停止もあります。
iPhoneのアラーム機能(AlarmKit)を使っているので、時計アプリと同じように消音モードや集中モードでも鳴ります(インストール後に一度アプリを開き、アラームを許可してください)。アプリの音声は大きめに仕上げていますが、iOS 26では、鳴るときの音量は前述の「着信音と通知音」のスライダで決まり、アプリ側からは変更できません。iOS 26で音が小さいと感じたら、まずこのスライダを確認してください。
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一方で、WakeBuddyは睡眠不足を解消するアプリではありません。iOS 26以降のiPhoneが必要で、耳が聞こえない方や聞こえにくい方には、振動で起こす目覚ましのほうが向いています。十分に寝ても起きられない場合は、アプリより先に医療機関に相談してください。実際の声と、スヌーズのたびに手強くなる流れは、トップページのデモで試せます。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な助言ではありません。
参考文献
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会. 健康づくりのための睡眠ガイド2023. 厚生労働省, 2024年.
- Ogawa K, Kaizuma-Ueyama E, Hayashi M. Effects of using a snooze alarm on sleep inertia after morning awakening. Journal of Physiological Anthropology, 2022;41:43.
- Sundelin T, Landry S, Axelsson J. Is snoozing losing? Why intermittent morning alarms are used and how they affect sleep, cognition, cortisol, and mood. Journal of Sleep Research, 2024;33(3):e14054(2023年オンライン公開).
- Robbins R, Sääf D, Weaver MD, et al. Snooze alarm use in a global population of smartphone users. Scientific Reports, 2025;15:16942.
- 林光緒. 二度寝を用いた睡眠慣性抑制法の開発(2024年度 研究成果報告書). 科学研究費助成事業(22K03211), KAKEN, 2026年. 各年度の報告:2022年度 実施状況報告書、2023年度 実施状況報告書、2024年度 実績報告書.
- 三島和夫. 快眠と生活習慣. e-ヘルスネット(厚生労働省), 2025年.
- 三島和夫. 昼間の眠気 – 睡眠不足だけではなく睡眠・覚醒障害にも注意が必要. e-ヘルスネット(厚生労働省), 2025年.
- 三島和夫. 概日リズム睡眠・覚醒障害. e-ヘルスネット(厚生労働省), 2025年.
- Schwab RJ. 特発性過眠症. MSDマニュアル プロフェッショナル版, 2024年.
- Apple サポート. iPhoneでアラームを設定・変更する方法. Apple, 2026年.
- Apple. iPhoneユーザガイド「iPhoneの「時計」でアラームを設定する」(iOS 26・iOS 27)、「iPhoneの音量を調整する」(iOS 26・iOS 27). Apple, 2026年.